第27回 LegalTech Venture Day2024

5月9日に、当協会がパートナーとなり、会員企業であるLegalOn Technologiesの奥村先生がパネリストとして登壇されたリーガルテックのスタートアップイベント、LegalTech Venture Day2024が、九州大学大学院法学研究院, IE Law School, LexisNexis, Law Schools Global Leagueの共催、一橋大学大学院法学研究科ビジネスロー専攻の後援で開催された。関係者の皆様のおかげで大盛況のイベントとなり、リーガルテックの盛り上がりを示すものとなった。
筆者は、基調講演の中で、リーガルテックの最新事情と起業家精神について私見を述べた。既にリーガルテックは多機能統合アプリ化が著しく、まさにオールインワンで弁護士や法務の仕事が完結するようなアプリが登場している。そうすると、個別の分野のペインを解決する個別化アプリを新たに開発して提供する新たなリーガルテックベンチャーは、統合化や全体最適という時代の流れについていけなくなるのか、つまり、リーガルテックの分野でもう起業家精神を発揮する 余地はないのかという点について問題を提起した。
その上で、リーガルテック分野において、まだまだ起業家精神は発揮可能だとの私見を述べた。即ち、リーガルテックの関係ではまだまだ汲み取れていないニーズがあり、そのようなニーズをうまく汲み取ることができれば、より弁護士や法務担当者の仕事が便利になる。そしてそのような付加価値が提供できるならば、そこに起業家精神発揮の余地があると述べた。
しかし、多くの「通常思いつく」ようなニーズについては、誰かが先に思いつき、その上でなんらかの理由で(少なくともその時点では)事業化しないと判断されたと考えた方が良いだろう。 そうすると、なぜ事業化されなかったか、という理由の精査こそが、新事業に向けたブレストの核心となるだろう。その理由次第では、やはり「やらない方がいい」となるかもしれないが、前例がない等はアントレプレナーシップを前提とすれば、理由にならない。だからこそ、そのような冷静な判断と熱い思いでどしどしチャレンジして欲しい。そのような起業家精神の発揮により基調講演の後は4社のファイナリストのピッチを審査し、審査員を代表して、Bering Labに対して 受賞のアナウンスをさせて頂いた。
大変素晴らしいイベントに貢献することができたこと、心より喜ばしく、これを契機として、更にこの分野で起業家精神が発揮されることを期待したい!
 

 
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