第28回 盛況御礼「疑問・質問お答えします!生成AI・ChatGPTを企業で運用するためのルールと留意点セミナー」

当職は5月27日に開催されたLegalOnTechnologies社主催の「疑問・質問お答えします!生成AI・ChatGPTを企業で運用するためのルールと留意点セミナー」にて講師を務めさせて頂いた。400人以上の申し込みを頂き、アンケートも約250人の方にお書き頂いた。アンケートにおいては多くの方にご満足頂けた旨のご回答を頂戴した。
当該セミナーにおいては、比較的積極的に利用する企業が2類型存在すると説明した。1つは、テンプレートといって、例えば自社の従業員が生成AIを使うためのページに例えばアンケート、議事録等、いくつかの「利用シーン」を設定して、当該利用シーンにおいて自社で利用して結果が良かったプロンプトを事前に準備し、例えばアンケートなら「XX」に関するアンケートの「XX」の部分を埋めれば簡単にアンケートの設問と選択肢を生成AIに作成してもらえる、というようなものである。もう1つはRAG等、自社のデータを入れることで、そのまま生成AIを使ったのでは到底得られないような回答を得るというものである。
そのような状況を踏まえ、利用ルールを既に策定した会社も、例えば「AI と著作権に関する考え方について」が公表されたことや、例えば当時ChatGPTのみを想定していたのが、様々な製品を利用するようになった(リスクの拡大)ことや、反対に、できるだけデータを保持しないオプション(ゼロリテンション)や、そもそもオンプレミスでLLMを利用するローカルLLM等も出現している(リスクの縮小)といった時間の経過による状況の変化を踏まえて更に利用ルールの最新 化を図るべきことを説明した。
この他に、各社で例えばイラスト等を生成AIの支援を得て作成することが一般化しつつあることを踏まえ、契約での対応が試みられているという話もさせて頂いた。例えば、クリエーターや制作会社に特定の(自社が商業目的に利用する予定の)イラストを作成させるという場合においては、そのクリエイターや制作会社が生成AIを利用するかもしれない。そして、生成AIの利用を予想せずに生成AIを利用した成果物が納品されると、新たなリスクに直面することになる。そこで、 まずは自社として、1一切生成AIを利用しないで欲しいのか、2一部使う事は差し支えないが制限したいのか、3あえて意図的に生成AIを利用して欲しいのか等を決め、その内容を契約に反映すべきであることを説明した。
このようなセミナーを通じて、生成AIを各企業、特に各企業の法務部門の皆様が積極的に活用し、その便益を享受しながらリテラシーを学ぶことのお手伝いができればと考えている。
 

 
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